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声優・役者な葛城七穂の   ゆらゆら生活あれやこれや
by n-katsuragi
開発
2006年 07月 14日 |
スタジオへ自転車で向かう途中、道路拡張をしている地域を通る。

その地一帯、再開発。
野っぱらのような地にざくざくと建てられた可動式フェンス、そして可動式ガードレール。
工事の進み具合によって、それらのフェンスは移動され、それに伴い仮歩道も変更される。
それは時間によっても違う場合がある。
朝、通った道は帰りには変更されているのだ。
都会の金網フェンスの迷路となっている。

道路拡張は近隣の住宅事情にも深く影響を及ぼす。

ふと見ると道路脇に突如として現れる見事なタイル壁画。
何故そこにタイル壁画?
意味がわからない。
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ちょっと、離れて見てみる。
横に白い、細長い、高い… 
煙突だ!
そう、そこはもともときっと銭湯だったのだ。
道路拡張により、真っ二つにされた銭湯は浴室の壁を外界に晒すことになってしまったのだ。
マリー・ローランサン風の壁画、そこは女風呂だったのだろうか…。
開発_e0088684_1741493.jpg


気付けば、まわりの家々もみな一様に分断されている。
それはもう全く容赦がない。

道路に面した壁に、ひとつの扉。
何となく違和感を覚え、よくよく見てみる。
地面から不自然なほど上がった場所に取り付けられた扉。
扉自身に頑丈さは感じられず、取っ手に付けられた南京錠。
そう、それはまさに室内用の扉。
本来は隣の部屋に通じるはずの扉は今、道路に向かって開け放たれる事におびえ、南京錠という微かな安心感をたよりに沈黙を守っていたのである。